Runner's Ringsを作った理由

走った記録ではなく、走った人生を残す。

Runner's Rings(ランナーズリングス)は、 一人のランナーが「走った道そのものを、自分の歴史として残せたら面白い」と考えたことから始まった個人開発のWebアプリです。

走った記録だけでは、残らないものがある。

ランニングを続けていると、タイムや距離、自己ベストなど、たくさんの数字が残ります。 もちろん、それらは大切な記録です。

でも、自分が本当に残したいものは、それだけではありませんでした。

いつもの練習コース。

家族を待っている間に走った道。

旅行先で初めて走った街。

調子が良かった日の道。

苦しくても走り続けた日の道。

何年も走っていると、その一つひとつが、自分の生活や思い出と結びついていきます。

「自分は、これまでどんな場所を走ってきたんだろう。」

それを一枚の地図で見られたら、きっと面白い。 そこからRunner's Ringsは始まりました。

きっかけの一つは、トップランナーの話でした。

以前、高橋尚子さんと野口みずきさんの話を見ていたとき、 「走った場所を地図で残していく」という楽しみ方がとても印象に残りました。

速く走ることだけではなく、走った場所そのものを楽しむ。 「それ、自分でもやってみたい。」 最初はそんな単純な気持ちでした。

でも、自分の過去のランニングデータを地図に重ねてみると、 そこにあったのは単なる線ではありませんでした。

自分が走ってきた歴史そのもの。

Runner's Ringsという名前

同じ道を何度も走る。 毎年少しずつ走った場所が増えていく。 それはまるで、木が一年ずつ年輪を重ねていくようにも見えます。

速かった年もある。 走れなかった時期もある。 遠くまで行った日も、家の近所を少しだけ走った日もある。

全部を重ねたものが、その人だけのランニング人生になる。 そんな考えから、 Runner's Rings ― ランナーの年輪 という名前になりました。

記録から「次に走りたくなる地図」へ

開発を始めた頃は、過去のランニングを地図に残すことが中心でした。 でも作っているうちに、もう一つ面白いことに気づきました。

「ここ、まだ走ってないな。」

そこで、市町村の走破数や走破率、まだ走っていない地域も見えるようにしました。

昨日までの自分を見るためだけではなく、 「次はどこを走ろう。」 と思えるアプリへ。

Runner's Ringsは、少しずつそんな方向へ育っています。

AIチャッピーとの向き合い方

Runner's Ringsの開発では、ChatGPTをかなり使っています。 私はChatGPTを「チャッピー」と呼んでいます。

ただし、チャッピーに「こんなアプリを作って」と頼んで、 完成したものが出てきたわけではありません。 実際は、その正反対に近いです。

「こんなの面白くない?」

「それは違う。」

「こうしたら?」

「いや、それだとRunner's Ringsじゃない。」

そんなやり取りを、本当に何度も繰り返してきました。

最初の頃、チャッピーはもっとゲーム的な方向も考えていました。 エリアを制覇する。達成率を出す。バッジを集める。未踏の場所を埋めていく。 それも面白い。

でも話していくうちに、Runner's Ringsの中心に置きたいものが少しずつ見えてきました。

ゲームをするために走るのではなく、
走った人生の積み重ねそのものを楽しみたい。

その考えを中心にしながら、ゲーム的な楽しさも少し加えていく。 今のRunner's Ringsは、そんなバランスで作っています。

チャッピーは万能ではありません。🐓

AIと一緒に開発していると書くと、 何でも一瞬でできるように聞こえるかもしれません。 実際はそんなことはありません。

チャッピーは間違えます。 こちらの意図を取り違えることもあります。 長いやり取りの中で、さっき決めたことを忘れたようになることもあります。

そして時々、 「なんでそっちに行った?」 という方向へ元気よく走り出します。🐓

だから、AIに全部を任せることはしていません。 違うと思ったら止める。 もう一度説明する。 実際に動かして確認する。 最後は自分で決める。 その繰り返しです。

それでも、一人では出なかったアイデアが生まれる。

AIとの壁打ちには、不思議な面白さがあります。 自分の頭の中だけで考えていたものを言葉にする。

チャッピーから返ってきた案を見て、 「違う。」と思う。 でも、なぜ違うのかを考えることで、 自分が本当に作りたいものが分かってくる。

逆に、「それ面白い。」という一言から、 一気に新しい機能が生まれることもあります。 地域走破も、年間表示も、取り込み方法も、画面の見せ方も、 そうした会話の積み重ねで形になってきました。

AIは答えを決める存在ではなく、
考えるための相手。

今の私にとって、チャッピーはそんな存在です。

完成品ではなく、育っていくアプリ。

Runner's Ringsは、大きな会社が大人数で作っているサービスではありません。 一人のランナーが、 「こんなものがあったら面白い。」 と思ったところから始まったアプリです。

走って、使って、気づいて、チャッピーと話して、直す。 また走って、また考える。 その繰り返しで、少しずつ育っています。

だから、これからRunner's Ringsを使ってくださる人から、 「こんな表示だったよ。」 「ここがおかしい。」 「こんなのがあったら面白い。」 そんな声をもらえたら、とても嬉しいです。

走った人生を、地図に残す。

記録を残すだけなら、すでに素晴らしいサービスがたくさんあります。 Runner's Ringsが残したいのは、もう少し違うものです。

どこを走ったか。
どんな時間を過ごしたか。
どれだけ積み重ねてきたか。

10年後、20年後に地図を見たとき、 「自分、こんなに走ったんだな。」 と思えるものを作りたい。

それが、Runner's Ringsを作っている理由です。

RUNNER'S RINGS DEVELOPER Atsuo 開発支援AI:ChatGPT “チャッピー”
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